社Dへの道 ~社会人博士課程に入学しました~

社Dへの道 ~社会人博士課程に入学しました~

こんにちは。レトリバの飯田(@meshidenn)です。カスタマーサクセス部 研究チームのリーダーをしており、マネジメントや論文調査、受託のPOCを行なっています。

この4月から、東京工業大学(東工大)の岡崎研究室に社会人博士課程で所属しており、動機・受験・会社の支援など書いていきたいと思います。

動機~なぜ、社会人博士?~

少し、身の上話から始めます。

私は、現在でこそ自然言語処理に携わっていますが、元々は航空宇宙工学専攻の修士卒業でした。その後、研究開発ファンディング機関に所属し、プリセールスとしてレトリバ(当時Preferred Infrastructure)に入社した後、リサーチャーになりました。高校生の時から、「技術で世の中を効率的にすることで、多数の人の幸福に寄与する」という方向性でやってきており、研究職はその根幹であるとの思いから、学生の時から博士志望でした。しかし、航空宇宙工学では、全体のシステム論は興味を持って勉強していましたが、個別の話になるとあまり興味を持てず、修士で卒業してしまいました。

その後、現在のポジションになってみると、ビジネスの範囲の応用という面では、それなりに問題設定はできるものの、自分の問題設定力にやや心細さを感じました。さらに、より広範囲に多様なアウトプットを出していくためには、論文といった形も必要であると思うようになり、博士課程での指導を受けたいと考えるようになりました。また、修士の研究から、知識処理に興味を持っており、より深めていきたいと思っていました。

幸い、会社も先端技術の活用を主としていることから、大筋は好意的に捉えてくれたようで、週1程度の休暇と裁量労働の範囲で行なって良いということとなりましたので、本格的に受験をすることにしました。(不足分の休暇は、昨今の労働制度改革で、有給休暇5日以上の取得と弊社制度で付与されるリフレッシュ休暇5日の取得の後、付与してくれるそうです。)

受験まで

受験に当たっては、入試説明会やオープンキャンパスで情報収集を行いました。その中で、もっとも私が志向する領域に近く、立地条件や入試も勘案した結果、東工大の岡崎研究室を受験しました。2019秋入学も考えたのですが、TOEICTOEFLの有効なスコアを保持していなかったので、2020春をターゲットに進めました。東工大を受験する際は、英語のスコアが必須になるので、前々から準備しておいたほうが良いと思います。

東工大の入試説明会では、そのあと研究室見学が可能でした。岡崎研究室では、先生が個別にお話する時間を作ってくださり、そこでやりたいことと受験に必要なことをご相談しました。先生からは、「社会人博士は自律的に進められる能力が必要なので、研究計画を作って見せて欲しい」とのコメントをいただきましたので、研究計画を作り、対面1回とメールにてフィードバックをいただき、入試に臨みました。

研究計画を作るに当たっては、博士号のとり方を一読しました。少しだけ参考になったかな?と言った感触です。また、同僚に博士課程経験者がいましたので、その方から研究計画を見せてもらい、流れを参考にしました。

試験

試験は口頭試問一発でした。内容は、修士での研究とこれからの研究について発表を行い、先生方の質問に答えるというものでした。 入試方式の通達がかなり直前だったため、それなりに準備をしていたものの、冷や汗ものでした。

ちなみに、私は英語のスコアをTOEICで提出しており、850点弱でしたが、問題はなかったようです。

入学してから

入学が決まってからは、コロナウイルスの影響で、全てリモートで研究なども進めています。段々と慣れてきたか?といったところです。研究では、普段よりいっそうモデルに対して深めの考察をするのですが、まだ要を得た考察になっているような感触はないので、徐々に磨いていきたいと思います。

リモートになったので授業はかなり取りやすくなりました。裁量労働なため、授業時間帯は業務を中断して出席しています。概ね問題なくできているのは、弊社の制度によるものだと改めて実感します。

後日談ですが、先生から研究室で使用するPC等のご連絡をいただき、私が希望したディスプレイは性能が低すぎるのではないか?とご指摘を受け、どんどんディスプレイのグレードが上がっていきました。正直なところ、そこまで良いディスプレイを使ったことがなかったので、驚きと喜びがありました。そして、いざ研究室へ行こうとした矢先、コロナショックで原則大学に行くことが禁止となりました。折角のPC環境が。。。などと思っております(笑)。

社会人博士生活については、また一区切りできたら、書いて行きたいと思います。